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須田一政 Issei Suda 写真集「EDEN」
¥6,350
須田一政 写真集「EDEN」 発行:PlaceM 発売:2020年11月01日 判型:W250mm x H250mm ブックデザイン:鈴木一誌 + 吉見友希 翻訳:ジョン・サイパル 協力:須田良子 製版・印刷・製本:株式会社光陽社 ISBN:978-4-905360-32-2 価格:税抜5,800円 暗闇の中で露光時間が過ぎるのを待っていると、暫しの拘束された時間は、思いがけない内省の時間になる。 三脚に据えたカメラの傍らに立つ自分が過去と未来の中心になり、いま、写真と共に在ることの至福感で満たされていく。 「EDEN」は、私の住む千葉で夜景を混ぜながら撮り下ろした作品群だ。 楽園という抽象的な概念を、どこまで日常の風景に浮かび上がらせることができるかと試みたのだが、この写真を撮る孤独な時間こそが私の「EDEN」だったと実感したのである。 プロフィール 須田一政(すだいっせい) Issei Suda 1940年東京・神田生まれ。東京綜合写真専門学校卒業。演劇実験室・天井桟敷(寺山修司主宰)専属カメラマンを経て71年にフリーとなる。76年「風姿花伝」により日本写真協会賞新人賞、83年「物草拾遺」等により日本写真協会賞年度賞、85年「日常の断片」等により東川賞国内作家賞、97年「人間の記憶」により土門拳賞、2014年「凪の片」等により日本写真協会賞作家賞受賞。2019年3月7日千葉市にて死去。
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須田一政 Issei Suda 写真集「煙突のある風景」特装版
¥55,000
須田一政 写真集「煙突のある風景」特装版 発行:Place M 発売:2019年4月29日 制作:TokyoLightroom 装丁:小松透 英語翻訳:ハワード・ワイツマン 印刷:株式会社山田写真製版所 製本:株式会社渋谷文泉閣 ISBN:978-4-905360-26-1 価格:税抜50,000円 オリジナル8x10inchゼラチンシルバープリント付き 通常版の表紙と特装版の表紙のどちらかを選べます。 さよなら煙突 高度成長以前、東京にビルが乱立する前の遠い昔 ― 煙突は高かった。 子供の頃は、見上げるほど大きなものに畏怖を感じるものだ。そしてその畏怖は憧憬 へとつながっていく。天を突きさすようにそびえ、もくもくと白煙を吹き出す塔は、 その象徴とも言える存在であった。 父が戦後からスレート会社を営んでいたので、 私の馴染みは家庭用の小さな煙突だった。自分の手が届かない、工業用の巨大な煙突 にことさら気を引かれたのにはある種のコンプレックスも含まれていたのかもしれ ない。 写真一筋に生きるようになってからも、視界に煙突があると反射的にカメラを向け ていた。幼年時代の憧憬は、時代の移ろいの中でイコンような輝きを放つようになっ ていったのである。 私にとって、煙突のベスト1は「お化け煙突」だ。 千住にあった火力発電所の4本の煙突につけられた通称で、 見える本数が角度によって違うことが皆の噂になって いた。タネも仕掛けもないそれを、「お化け」と名付けた当時の人々の感性はなかなかのものだと思う。昭和 年に取り壊され、今では記憶の中にしか現れない正真正銘のお化けになってしまった。 「煙突のある風景」というタイトルにもそのお化け煙突への思慕が隠れている。この シリーズに限らず、煙突は私の風景写真の常連と言える。ただ、煙突のある...と銘打ったにしては、このシリーズにはその姿が少ない。結局 、「煙突のある風景」は煙突が 高かった時代への郷愁だったのだ。当時の私がそれを全肯定するとは思えないが、数十年経た私にはそう見えてならない。 最近は技術が進み、都内のほとんどの煙突からは煙が出ない。白煙の正体も水蒸気 だったりする。火葬場の火葬炉も電子レンジ化して、家族で煙を見送る光景もすでに ない。果たして私などは、煙の力を借りずに天国へ上ることが出来るのかが気になる ところだ。 いつか煙突という言葉も消える日を迎えるのだろうか。「煙突のある風景」は間違 経て 年にフリーとなる。 年「風姿花伝」により日本写 いなく終焉へと向かっているのである。 2019年 平成最後の春に 須田一政 プロフィール 須田一政(すだいっせい) Issei Suda 1940年東京・神田生まれ。東京綜合写真専門学校卒業。演劇実験室・天井桟敷(寺山修司主宰)専属カメラマンを経て71年にフリーとなる。76年「風姿花伝」により日本写真協会賞新人賞、83年「物草拾遺」等により日本写真協会賞年度賞、85年「日常の断片」等により東川賞国内作家賞、97年「人間の記憶」により土門拳賞、2014年「凪の片」等により日本写真協会賞作家賞受賞。2019年3月7日千葉市にて逝去。
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須田一政 Issei Suda 写真集「煙突のある風景」
¥6,350
須田一政 写真集「煙突のある風景」通常版 発行:Place M 発売:2019年4月29日 制作:TokyoLightroom 装丁:小松透 英語翻訳:ハワード・ワイツマン 印刷:株式会社山田写真製版所 製本:株式会社渋谷文泉閣 ISBN:978-4-905360-26-1 価格:税抜5,800円 8x10ゼラチンシルバープリント付特装版は下記より https://shop.placem.com/items/35461038 さよなら煙突 高度成長以前、東京にビルが乱立する前の遠い昔 ― 煙突は高かった。 子供の頃は、見上げるほど大きなものに畏怖を感じるものだ。そしてその畏怖は憧憬 へとつながっていく。天を突きさすようにそびえ、もくもくと白煙を吹き出す塔は、 その象徴とも言える存在であった。 父が戦後からスレート会社を営んでいたので、 私の馴染みは家庭用の小さな煙突だった。自分の手が届かない、工業用の巨大な煙突 にことさら気を引かれたのにはある種のコンプレックスも含まれていたのかもしれ ない。 写真一筋に生きるようになってからも、視界に煙突があると反射的にカメラを向け ていた。幼年時代の憧憬は、時代の移ろいの中でイコンような輝きを放つようになっ ていったのである。 私にとって、煙突のベスト1は「お化け煙突」だ。 千住にあった火力発電所の4本の煙突につけられた通称で、 見える本数が角度によって違うことが皆の噂になって いた。タネも仕掛けもないそれを、「お化け」と名付けた当時の人々の感性はなかなかのものだと思う。昭和 年に取り壊され、今では記憶の中にしか現れない正真正銘のお化けになってしまった。 「煙突のある風景」というタイトルにもそのお化け煙突への思慕が隠れている。この シリーズに限らず、煙突は私の風景写真の常連と言える。ただ、煙突のある...と銘打ったにしては、このシリーズにはその姿が少ない。結局 、「煙突のある風景」は煙突が 高かった時代への郷愁だったのだ。当時の私がそれを全肯定するとは思えないが、数十年経た私にはそう見えてならない。 最近は技術が進み、都内のほとんどの煙突からは煙が出ない。白煙の正体も水蒸気 だったりする。火葬場の火葬炉も電子レンジ化して、家族で煙を見送る光景もすでに ない。果たして私などは、煙の力を借りずに天国へ上ることが出来るのかが気になる ところだ。 いつか煙突という言葉も消える日を迎えるのだろうか。「煙突のある風景」は間違 経て 年にフリーとなる。 年「風姿花伝」により日本写 いなく終焉へと向かっているのである。 2019年 平成最後の春に 須田一政 プロフィール 須田一政(すだいっせい) Issei Suda 1940年東京・神田生まれ。東京綜合写真専門学校卒業。演劇実験室・天井桟敷(寺山修司主宰)専属カメラマンを経て71年にフリーとなる。76年「風姿花伝」により日本写真協会賞新人賞、83年「物草拾遺」等により日本写真協会賞年度賞、85年「日常の断片」等により東川賞国内作家賞、97年「人間の記憶」により土門拳賞、2014年「凪の片」等により日本写真協会賞作家賞受賞。2019年3月7日千葉市にて逝去。
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須田一政 Issei Suda 写真集「かんながら」
¥6,350
須田一政 Issei Suda 写真集「かんながら」 発行:PlaceM 発売:2017年11月15日 判型:W300mm x H204mm 印刷:株式会社光陽社 製本:株式会社光陽社 ISBN:978-4-905360-17-9 価格:税抜5,800円 プロフィール 須田一政(すだいっせい) Issei Suda 1940年東京・神田生まれ。東京綜合写真専門学校卒業。演劇実験室・天井桟敷(寺山修司主宰)専属カメラマンを経て71年にフリーとなる。76年「風姿花伝」により日本写真協会賞新人賞、83年「物草拾遺」等により日本写真協会賞年度賞、85年「日常の断片」等により東川賞国内作家賞、97年「人間の記憶」により土門拳賞、2014年「凪の片」等により日本写真協会賞作家賞受賞。2019年3月7日千葉市にて逝去。
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須田一政 Issei Suda 写真集「SUDDENLY」
¥6,350
須田一政 写真集「SUDDENLY」 発行:PlaceM 発売:2016年5月20日 判型:W250mm x H250mm 印刷:株式会社 光陽社 製本:株式会社 光陽社 ISBN:978-4-905360-14-8 価格:税抜5,800円 プロフィール 須田一政(すだいっせい) Issei Suda 1940年東京・神田生まれ。東京綜合写真専門学校卒業。演劇実験室・天井桟敷(寺山修司主宰)専属カメラマンを経て71年にフリーとなる。76年「風姿花伝」により日本写真協会賞新人賞、83年「物草拾遺」等により日本写真協会賞年度賞、85年「日常の断片」等により東川賞国内作家賞、97年「人間の記憶」により土門拳賞、2014年「凪の片」等により日本写真協会賞作家賞受賞。2019年3月7日千葉市にて逝去。
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須田一政 Issei Suda 写真集「RUBBER」
¥5,280
SOLD OUT
須田一政 写真集「RUBBER」 発行:PlaceM 発売:2012年12月1日 判型:W235mm x H205mm デザイン:鈴木ー誌 + 桜井雄一郎 印刷・製本:株式会社 光陽社 ISBN:978-4-905360-03-02 価格:税抜4,800円 フェティシズムは多種多様である。その嗜好は幼年期、無意識のレベルで個々人に埋めつけられるというのだから、当然理性の及ぶ域ではない。 ラバー・フェチは言うまでもなくRUBBER(ゴム)製品に対するフェティシズムである。ラバリストはラバー素材を至上のエロスと崇める人たち を指す。(中略) 全身ラバースーツに覆われた奇妙な姿態。すべらかな頭部、ぬめり感のある光沢……その魅力を語りながらも、生憎私自身はラバリストではない。幼 い頃、疎開先で軍用のガスマスクを被って鼻血を出したとか、育った家の隣がゴムの会社で倉庫に忍び込んで遊んだとか、「変態野郎!」の罵声に甘ん じるヒーロー・バットマンが好きだとか、過去の体験と結び付けられなくもないが、視覚至上人間の私には触覚と嗅覚を優先するラバリストの根本的な 資質が欠けている。 作品のモデルが本物のラバリストであろうがなかろうが、私のなかではその辺のこだわりはなかった。自身の「なんかヘン」なモノへの過剰な興味、 質感の魅力を、視覚による快楽に昇華させるための撮影なのだ。ラバーの快感に倒錯するマニアを被写体とすることよりも、自らが倒錯した傍観者で在りたかったのである。異形なモノとなったモデルたちの戸惑いや感情の動きは、ラバーによって封印される。撮影の場は私の夢想の実現の場であり、こ の場で一番の至福を味わうのは自分なのだという強い願望があるのかもしれない。 元来、私は反射する光に特別な執着がある。ラバーの柔らかい照りと曲線の美しさは平面に移し変えてもより近いかたちで残したいと考えた。撮影は すべてポラロイドカメラによるものだ。ラバー素材を生かすポラロイドの生身感は、説明無用で頷いていただけるのではないかと思う。 制作から約20年、ラバーマスクは薄暗い保管庫の中で経年変化し、広げようとしても密着して剥がれない状態になっていた。それとは真逆に、デザ イナー・鈴木一誌氏のゴッドハンドによって再生したRUBBERが、私の想像を超えた姿で目前に横たわっている。秘かな道楽の後に待っていたのは 悲しい結末ばかりではないのである。 2012年12月 須田一政 プロフィール 須田一政(すだいっせい) Issei Suda 1940年東京・神田生まれ。東京綜合写真専門学校卒業。演劇実験室・天井桟敷(寺山修司主宰)専属カメラマンを経て71年にフリーとなる。76年「風姿花伝」により日本写真協会賞新人賞、83年「物草拾遺」等により日本写真協会賞年度賞、85年「日常の断片」等により東川賞国内作家賞、97年「人間の記憶」により土門拳賞、2014年「凪の片」等により日本写真協会賞作家賞受賞。2019年3月7日千葉市にて逝去。
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須田一政 Issei Suda 写真集「角の煙草屋までの旅」特装版
¥88,000
SOLD OUT
須田一政 写真集「角の煙草屋までの旅」特装版 発行:Place M 発売:2011年1月20日 ブックデザイン:坂川朱音(坂川事務所) 制作協力:夜の写真学校、ハワード・ワイツマン、木村愛理 編集:梅村隆之 英語翻訳:ハワード・ワイツマン 製版・印刷・製本:株式会社光陽社 ISBN-13 : 978-4905360001 価格:税抜80,000円 *通常版は売り切れです。 オリジナル8x10inchサイン入りゼラチンシルバープリント付き キツネとネコの絵柄のどちらかを選べます。 旅とは言いながら「角の煙草屋まで」。見慣れた街角には違いない。 それでもカメラを構えて歩けば、その時々の気分で意外な姿を見せる。「黙々と自分の足音に耳を澄ませるような、ささやかだが満ち足りた時間を歩く旅」が始まる。 広く知られざるスナップの名品だ。今も評価の高いシリーズ「風姿花伝」から数年、1980年の雑誌連載作。河川敷でテニスを楽しむ人もいれば、ギターの流しもいる。途中には自身の入院を挟み、当時の風景をよみがえらせる。ふとした日の陰り、霊妙な気配の漂いをとらえる独特の視線はむろん息づいている。 ところで、この年は昭和55年にあたる。先日、昭和時代に関する世論調査が本紙に掲載されたが、日本人が最も幸せだった時期は昭和50年代との回答が多かった。高度成長期でもバブル期でもない頃、その日常が目にしみる。 (2011年3月28日 読売新聞) --「読売新聞 よみうり堂」 プロフィール 須田一政(すだいっせい) Issei Suda 1940年東京・神田生まれ。東京綜合写真専門学校卒業。演劇実験室・天井桟敷(寺山修司主宰)専属カメラマンを経て71年にフリーとなる。76年「風姿花伝」により日本写真協会賞新人賞、83年「物草拾遺」等により日本写真協会賞年度賞、85年「日常の断片」等により東川賞国内作家賞、97年「人間の記憶」により土門拳賞、2014年「凪の片」等により日本写真協会賞作家賞受賞。2019年3月7日千葉市にて逝去。
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